運命を変えた看板商品!さすらいの牧場人から教わったレシピと日本一”牛想いな牧場”が育てた黒牛の出会い。口の中でフワッととろける『むなかた牛グリルハンバーグ』

▲画像:今にも破裂しそうなほどにふくらんだ“まんまるハンバーグ”。

店舗名:

農園野菜と大地の恵み となりのグリル

投稿者:

古賀 広宣

商品名:

運命を変えた看板商品!日本一牛想いな牧場“が育てた黒牛と九州鹿児島の銘品六白黒豚の出会い。口の中でフワッととろける『むなかた牛グリルハンバーグ』

商品説明:

早速「むなかた牛グリルハンバーグ」のご紹介をさせていただきたいのですが、
その前にぜひ、当店がどうやって今の「地産地消系ハンバーグレストラン」となり今に至ったのか、少し長くなりますが、お話しさせて下さい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー-
◆鳴り物入りでオープンした“街一番のおしゃれステーキレストラン”。しかし・・

 

2010年10月10日 福岡県福津市。

市場から届く低農薬野菜と鹿児島産の黒毛和牛。そして九州産の鶏・豚などの新鮮食材。
それらが店内中央にある鉄板でテンポ良く焼き上げられ、ジュージューとシズル感いっぱいのステーキが次々とテーブルに運ばれてくる。

そんな「一流ホテルの最上階」のような素敵なレストランが
人口5万人弱の郊外、福岡の田舎町にオープン。

個人経営の居酒屋やうどん屋以外は 大手チェーンのファミレスなどしかないこの街にあって、
おしゃれな外観とTVや雑誌でしか見ないような料理に、お客様は大興奮!!

そんな幻想を頭いっぱいに描き、鳴り物入りでオープンしたステーキレストラン「となりのグリル」。 会社帰りのサラリーマンやOL,カップルが、和牛ステーキやスペアリブ・ローストビーフといった豪華な肉料理を味わいながら、気軽にビールやワインを楽しみ、客単価は6000円ほど。心地よい時間を目いっぱい楽しめるようにもちろん喫煙も可能。そして営業時間は翌3時まで。

「街一番のおしゃれレストランオープン。すべて完璧だ・・」

オープン前からすでにガッツポーズの私であった。

◆完全に見失ったターゲット

オープンしてすぐは順調なすべり出し。かわいい外観はオープン前から話題で夕方17時のオープンには、すでにお待ちのお客様もちらほら。

しかしオープンして1か月ほどした頃あることに気づく・・
「サラリーマンというより家族連ればかりが目立つ」そして「夜の集客がぜんぜん伸びない・・」

そう、オープン時間の17時からたくさんのお客様が来店してくれるのだが、なぜか狙っていた「お酒を飲む仕事帰りのサラリーマン・OL」ではなく、子供連れのファミリーばかり。そして21時になる頃には来店がピタリと止まる。23時になる頃には店内に客はゼロ。

「あれ?何かがおかしい・・」

口コミにならぶ不満の声の数々、廃業を意識したクリスマスイブ

不安になった私は急遽アンケートを実施、さらに食べログなどの口コミを読みあさる。
すると「家族で行くには値段が高い」「定食やセットメニューが欲しい」「こだわりがわかりにくい」「子供が食べるものが無い」「タバコの匂いが気になる」などのコメントがずらり。
そして連日22時には店内にお客はゼロ。

そんなオープンして2か月が経った12月24日、23時。
カラッポの駐車場。街灯の明かりも少なく、車も通らない星のきれいな夜。その中に
間接照明でひときわ素敵に輝くレストランを見ながら、あふれだす涙と思い。

「この店、潰れるな・・」

 

お客様アンケートの中に見つけた希望の光

そんな気持ちに押しつぶされそうになりながら、何か解決策は無いかと読み漁るお客様アンケート。おざなりな「美味しかった」の言葉と手厳しい言葉ばかりと思って眺めている中、ふといくつものアンケートが目に留まった。

『子供が頼んだハンバーグを一口食べたらすごく美味しくて、こんなにふわりと口の中で消えていくハンバーグは生まれて初めて食べました。次回はハンバーグを食べに来たいです。』

『ふと頼んだハンバーグが最高においしかった!旦那も子供も「ここのハンバーグ最高」って喜んで完食しました!』

「何?ハンバーグ? うちのハンバーグって・・普通・・だけど・・」

確かに店内で作ってはいるが、ステーキ用の肉を捌いた端肉の活用として作っているだけのサイドメニューである。それがこんなにも好評いただいているなんて。なぜだ?

絶賛のハンバーグ。かくし味は牧場出身の旅人サコちゃん?
となりのグリル再建の可能性をハンバーグに見出した私は、改めてレシピを見返す。
「うん、、自分で言うのもなんだが、クックパッドにも出てそうな ごく一般的なハンバーグのレシピだ(笑)」
それがなぜあんなに好評なのか・・まったくわからない。

そこでハンバーグの仕込み風景をしっかりと確認してみることに。
ハンバーグの仕込みを担当するのは、キッチン専門のスタッフ「サコちゃん」
サコちゃんは、全国の牧場を渡り歩き、動物のお世話をしているというちょっと変わった経歴の女性。ここ数年は東北の牧場で働いており、久々に地元福岡に帰ってきていた。しばらくは実家で過ごそうということでアルバイトスタッフになったのだった。

準備している材料を見ても、やっぱりレシピ通り。
「う~ん。やっぱりわからん」

そんな中、サコちゃんのハンバーグ作りが始まる。工程も何ら変わらない・・・
と思って見ていたが、ふとある違和感に気付く。
「いつも作っている割に、ちょっと時間かかりすぎじゃないかな?」

そう思い、改めて観察すると
そこにはレシピには書いていない、2つのこだわりがあった!

◆究極のハンバーグへの道、スタート!

以前働いていた牧場主から教わったという、ハンバーグ作りのこだわり、それは
①段階的に最も細かくなるまで肉を挽くこと。そして②500回捏ねること。

その効果を確認するために、同じ材料で一般的な作り方をしたものと比べてみる。
両方を同じように焼き上げ、皆で試食してみる。すると
「何これ?全然違う!」「めちゃくちゃふわふわで柔らかい!」と、スタッフ皆大絶賛。

「よし、このハンバーグにかけてみよう!」

そこから、究極のハンバーグ作りが始まった。

運命の出会いは意外と近くに

ハンバーグ作りの工程は、サコちゃんに教わったように変更。つぎは素材を見直すことに。
これまでステーキや焼き肉用にさばいた肉の端切れを使っていた為、現材料には限りがあり多くは作れない。また使われる部位や赤身、脂身の割合も作るたびに異なっていた。また高品質の和牛は脂分が強い為、高齢の方などには少し脂っぽ過ぎる印象であった。
この先、ハンバーグの店としてやっていく為には、どうしてもハンバーグにぴったりな「赤身の美味しい牛肉」が必要となる。そこで九州各地の様々な牛肉や部位また等級などを探し、試していく日々が始まる。そしてついに、一つの牛肉に出会うこととなった。

脂身は少な目だが甘い。赤身は匂いは無くそれでいてしっかりとした肉の旨味があり、すじ張っていない。焼き肉やステーキにするには若干物足りない感もある牛肉である。

「これこそハンバーグにぴったりな牛肉だよ! これどこのなんて牛?」

それはなんと、存在さえも知らなかった「すぐとなり町」の小さな牧場の牛であった。

◆日本一清潔で牛想いな牧場が育てた「むなかた牛」

早速アポを取り牧場を訪れることに。山の中をイメージしながらナビに沿って向かうと、
なんとそこは住宅地に隣接する丘の上。

気さくな牧場主の社長さんに案内され牧場の中を見学してる最中、あることに気付く。
「この牧場には匂いがない。」

私も数々の牧場を訪れているが、家畜舎には必ず特有の「家畜臭」がある。それがここにはほとんどない。 むしろ牧場一面に咲くラベンダーやハーブの香りが心地よい程であった。

聞くと衛生管理は世界基準でもトップクラスのスコアであり、同基準をクリアしているのは日本にも他に2舎しかないとのことであった。

さらに驚いたことに、
この牧場の牛はスタッフが名前を呼ぶと振り返り、近寄ってくるのである。いかに日々心を通わせているのかが、聞かずとも十分にうかがえた。

もちろん私は、牧場主である社長にその場でお願いした。
「こちらの牛で最高のハンバーグを作らせてください」と。

◆相棒は九州が誇る鹿児島名産「六白黒豚」

もう一つ、むなかた牛に併せる豚肉選びも重要であるが、そちらは迷わなかった。
これまで全国展開してきた肉屋の目利きから、「かごしま六白黒豚」にほれ込んでいたからだ。
これらの素材を揃え、初めてのハンバーグ作り。
すでに次なる牧場を見つけ旅立っていったサコちゃんに学んだ作り方で作ってみる。

休日返上でスタッフが集まり試食会、、、結果は満場一致であった。
「今までよりも数段おいしい!」「口の中で一瞬で溶けてなくなった!」「こんなハンバーグ食べたこと無い!」「これなら絶対また食べたくなる!」
スタッフみな、一人残さず自画自賛の嵐である。

◆手書きメニューと手配りチラシで再出発

新たな看板商品の完成とともに、「街一番のおしゃれレストランのオーナーになってもてたい」と言う邪心を捨て、もう一度店舗経営を見直すことに。

ターゲットはサラリーマンから家族連れ・高齢者へ。客単価は6000円から2500円へ転換。営業時間はランチタイムを主に22時まで。もちろん全席禁煙。食材は「全国のうまいもの」から「できるだけ近くでとれた新鮮なもの」へ変更。そしてメイン料理は「高級ステーキ」から「ハンバーグ」へ。

もちろん開業したてですでに予算はない。なのでメニューは色えんぴつとマジックで手作り。そこに自分たちで撮った写真を貼った。 

そうして作り上げた新たな看板商品「むなかた牛グリルハンバーグ」は大好評。口の中でフワッと溶けてなくなるその食感が話題となり、様々な地方番組や雑誌の取材も受けることとなった。

更に、それから2年後。旅行雑誌るるぶの編集者より連絡が入り、
読者投票により選出される『旅行雑誌るるぶ読者が選ぶ!絶品ハンバーグ大賞』
となりのグリルのハンバーグが選ばれましたとの報告をいただくことに。

◆11年目を迎える看板商品

それにより更に人気の高まったこのハンバーグ、その後多くのお客様に楽しんでいただき、
これまでに112,000食販売させていただきました。
そして、開業わずか数か月で閉店を覚悟した田舎街のレストランを
その後10年に渡り支える人気商品となっております。

そんな多くの出会いと偶然が重なって完成した当店のグリルハンバーグ、
皆さまにも是非、お楽しみいただけたら幸いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【農園野菜と大地の恵み となりのグリル】
■住所:福岡県福津市花見が浜2丁目7‐13

■TEL:0940‐72‐4200

■HP:https://tonari-grill.jp/